稲敷市 蓄電池 太陽光発電 自社施工 夢のマイホームが0円に!? 0円住宅の仕組みについて

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家はまさに「一生に一度の買い物」と言っていいほどの大きな決断です。そう言われるのは住宅の戸当たりの平均建設費が3000万円以上するだけでなく、毎月ローンを支払って長い時間を掛けて購入費を返済していくものだからです。その過程で住宅ローンの返済は出来るのかの不安はつきまといます。

そこで注目を集めている住宅のスタイルとして「0円住宅」が挙げられます。街中やチラシで0円住宅を広告で目にしたりする方もおられるかもしれません。残念ながらこれは建設費が0円で家を持てるという意味ではありません。当然ながらそこには、からくりが存在します。端的に説明すると太陽光発電システムで高熱費を0円に、住宅ローン返済額を0円に、また賃貸住宅で住宅ローンの返済額を0円に相殺するというのが正しいとらえ方です。いわば0円住宅を「買う」のではなく、0円住宅に「する」のが0円住宅の正しい理解です。今回は0円住宅とは具体的にどういったものかをお届けします。

0円住宅って何?

一口に0円住宅といっても種類は以下の3つに分かれます。

・太陽光発電システムによって高熱費が0円になる

・太陽光発電の売買電と節約によって、住宅ローンを相殺していき結果として返済額が0円になる

・賃貸住宅併用によって住宅ローンを0円にする

太陽光発電システムによって高熱費が0円になる場合

1つ目は太陽のエネルギーを売買電、発電することによって0円住宅にする方法です。

固定買取制度は先日の記事でお届けしましたが、今回再び制度について触れます。固定買取り制度は2012年7月からはじまり、太陽光・風力・地熱・バイオマスによる再生可能エネルギーを条件を満たしていれば電力会社が一定価格で買い取ってくれる制度です。10kW未満の一般住宅の場合は自宅で使わないで残った電力が買取り対象となり、その金額は年度ごとに更新されます。2017年度は東京電力、中部電力、関西電力で1kwあたり売電価格が以下の通りとなっています。

10kw未満 28円
10kw以上 21円

この買取り制度を利用して高熱費、給湯、換気、照明設備の費用をを0円にしようという家がZEH(ゼロエネルギーハウス)です。ZEHの追加事項として国から350万円の補助金が出るゼロエネルギーハウス支援事業を行っています。

太陽光発電の売買電・節約によって住宅ローンを相殺していき結果として返済額が0円になる

毎月のローンの支払いが7万円だったら毎月7万円以上の売電が出来ればローンの支払いが0円となります。それがローン0円住宅です。0円でなくても3.5万円の売電が出来れば「ローン1/2円住宅」と呼ばれます。またそれによって収入が増えたという例もあります。ただし誰でも出来る訳ではありません。20年間ローンをまかなう為には10kw以上の発電住宅でないといけません。また経済産業省と電力会社の許可が必要です。さらに20年の売電契約が必要となり、手続きが煩雑になります。繰り返しになりますが、住宅ローンの支払いが20年間0円になるというのは10kw以上についてです。このクラスでは買取り価格の単価は下がるものの発電した全電気が買取り対象となり、その期間も10年から20年へと延長されます。システムを利用する事で0円になるのです。一般向けの買取り制度には「10kw未満」だけでなくダブル発電余剰買取り「10kw未満」と「10kw以上」と細かく分類されています。ダブル発電とは太陽光発電システム以外にも自家用発電設備等がある場合での発電環境を言います。住宅ローンの支払いが20年間0円になるというのは「10kw以上」についてのみです。システムを利用する事で住宅ローンを0円とすることは計算上可能となります。しかし計算上は可能でも10kw以上のパネルが設置できる屋根が必須、金利がいつ上昇するかも分かりません。思うような発電量が得られるかどうか分からないのです。これが成功した例として20年間で約2500万円を売電し家を建てたケースもありますが、希有な例といってもよいでしょう。

賃貸住宅併用によって住宅ローンを0円にする

この方法では住宅の一部を賃貸として使い、家賃収入で住宅ローンを返済します。しかし住宅の一部を賃貸住宅用に改装しなければならず、ローンの返済だけではなく老後の安定した収入も狙ってはいるものの、素人が簡単に手出しできる0円住宅の種類ではありません。そこで不動産会社などの管理会社の介入に頼らなければいけません。多くの賃貸併用住宅を建てる住宅会社では、物件の一括借り上げと管理業務の請負も行っています。一括借り上げは家賃収入の20%前後を手数料として差し引いて、入居者の有無にかかわらず住宅会社が物件を借り上げるものです。これによって手数料分収入は減るものの、空室のリスクはなくなります。管理業務は家賃の数%を手数料として支払うことで、住宅会社がオーナーの代わりに行います。つまりこの両方の契約を締結すれば、オーナーはほとんど手放しで安定収入を得ることができます。しかし、それでもやはりハードルが高く入居者のクレームなどを受け付ける管理業務は、素人では手におえないケースも多々あります。また空き室が出てしまっては0円にはなりません。住宅や太陽光発電設備のお金が掛かる事からも賃貸併設で0円住宅を実現するのは、よほどのことがないと難しいです。

賃貸併用で住宅ローンを0円にするという方法には他に、テナント貸しがあります。あくまで店舗商売に適した場所で一階部分だけをテナントとして貸し出し、見事0円住宅とした成功例もあります。しかし店舗併用住宅は建物の規模も大きくなりがちで、その構造も普通の住宅とは異なります。建築費用も高くなるので融資額も高額になることは覚悟しておかなければいけません。資金の回収は商業向けの土地でないと難しいものとなります。

まとめ

以上の3つの0円住宅の種類を見ていただきました。あくまでも中立的な目でみると、0円住宅は100%嘘の誇大広告でもないし、100%成功する夢のような事柄だと言う訳でもありません。それは上に紹介した0円住宅の種類のどれにも当てはまることです。事実、太陽光発電の電気買取り価格は年々下がってきており、昔のようにローンまでカバー出来なくなっています。このように現代では太陽光発電によって0円住宅を実現させるのは難しいですが、売電収入をコツコツと貯めることはマイナスにはなりません。月3-5万円程度の収入は20年もすれば700万円以上の大金に育ちます。これをローン返済に使えば、返済のスピードアップに繋がります。また最近のローン審査時には太陽光発電における売電収入が年収に加算される事もあります。0円住宅にならなくても繰り上げ返済やローン審査をプラスにする力はあります。太陽光発電における売電価格は年々下落しており、それでも太陽光発電システムの需要が完全になくなる事は考えられません。ただローンを0円にするといった前提で太陽光発電を取り入れるのは期待したリターンが得られないときに精神的な落差が襲いかかってきます。それより、ローンと結びつけるのではなく、高熱費削減くらいに考えていた方が現実的なのです。「0円」というキャッチフレーズにとらわれず、少しでも賢い方法を模索してみてはいかがでしょうか。

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