阿見町 蓄電池 太陽光発電 自社施工 ソーラーパネルのメンテナンスと具体的な費用

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太陽の光を吸収する太陽光発電では、ソーラーパネルは野ざらしで、さらに雨ざらしです。先日の記事でご紹介したように寿命の20年を待たずして劣化してしまっているケースも多々あります。皆様の中にもご近所で古くからソーラーパネルを導入している家のパネルが、劣化してきている光景をご覧になった方もいるのではないでしょうか。その光景の通りソーラーパネルは定期的なメンテナンスをしないと劣化していきます。

今回はそんなソーラーパネルの劣化を食い止める為に出来るメンテナンス方法をお届けします。メンテナンスをマメにして長寿命にして心地よいエコ生活を実現しましょう。

そもそも太陽光パネルにはメンテナンスが必要か

太陽光発電システムは寿命が20年以上もあります。そのメンテナンスにはほとんどコストが掛からないと言われています。販売施工会社や営業の方は太陽光発電がメンテナンスフリーであるという謳い文句で販促を行っていますが、必ずしも太陽光発電が「故障しない」とか「性能が低下しない」ということではありません。

実際に雷や台風などの自然現象等による偶発的な故障や、取り替えや工事不十分や接続不良による人為的な不具合、経年劣化による故障の実数は全体の約16.9%にも上ると言う調査結果が出ています(NEDOの太陽光発電システム評価技術研究会調べ)。意外と多い数字で驚かれる方も多いかもしれません。

太陽光パネルでは20年以上の長期的な出力保証があります。しかし寿命が長いとはいえ年月を重ねるごとに売電収入が減っていくという事態を常に念頭に置いておかなければいけません。

最も多い故障はパワコンの不良によるものです。この装置は屋外、屋内、兼用と3種ありますが、それぞれに耐久年数が異なります。中でも屋内用は湿気や温度に非常に弱いので設置場所の換気や温度調節には特に注意が必要です。

実は、毎年の買取価格(売電価格)は、メンテナンス費用がこれくらいかかるだろうということも考慮された上で、決められてます。先日の記事で太陽光発電の寿命をお伝えしたことからも明らかです。

具体的なメンテナンス方法

では太陽光発電設備のメンテナンスは具体的にはどうしたら良いのか以下に解説します。太陽光発電システムの定期点検は主に販売施工会社が行います。長期保証をするメーカーは、点検は4年に1度以上実施する事を推奨しています。そして点検者は販売施工会社で保有しているJPEA認定PV施工技術者もしくはメーカー認定技術者が行います。

販売施工業者は必ず太陽光発電のメンテナンスを行います。というのも資格保有者もしくは認定技術者を保有していなければ、ほとんどの太陽光発電のメーカーと販売代理店契約を結べない事になっているからです。太陽光発電の導入検討時には設置後の定期点検のスケジュールを担当する資格保有者もしくは認定技術者の存在を書面などで明確にしておきましょう。

太陽光発電システムの定期点検の内容としては「製品点検・運転点検・数値測定」の3つに大きく分かれます。

「製品点検」では太陽電池のモジュール・接続箱・運転点検・数値測定をします。
「運転点検」ではパワコンの昇圧ユニットの動作確認をしてくれます。
「数値測定」では太陽電池・電力系統の電圧測定、太陽電池・機器間の絶縁抵抗測定を行います。

3つの点検区分の中でも作業項目は細かく分かれていますが、基本サービスのものも、オプションのものもあり、どのような工程をサービスに加えるかによって点検費用も変わってきます。なお上記の点検内容に加えて、モジュールの高圧洗浄をして雨では落ちない汚れを落としてくれる場合もあります。

また定期点検だけでなく太陽光発電システムは普段から施主様自身が日常点検を行う事が最も重要です。

日常点検でチェックする対象は

パワコン本体
パネルや架台
外線内線ケーブル、接続箱

チェックする項目は

汚れやキズはないか
破損や欠損はないか
腐食や配線外れはないか
異音や振動、異臭はないか
明細書やモニターによる発電状況

以上を、目視によってチェックしましょう。

さらに発電量監視システムを設置すれば定期点検や日常点検までの期間に不具合が放置される事を防ぐことも出来ます。近年はこの監視システムが設置されるケースも多いのですが、発電量の異常が検知されたときに販売施工会社と太陽光発電設置者の双方にアラートが届くので故障にすぐさま気づく事が出来ます。

この機能によって、もしもの時は販売施工会社も駆けつけてくれますし、太陽光発電設置者も気づくことが出来ます。

メンテナンス費用の相場

太陽光発電の定期点検は販売会社にやってもらうとなったら、気になるのは定期点検に掛かる費用です。定期点検は長期に渡る発電量の維持と安全性確保の観点から、定期的に行われることが「推奨」されており、「義務」ではありません。しかし基本的にメンテナンスフリーとはいえ太陽光発電は、屋根に設置する電気工作物ですので長期間運用していると過酷な気象条件や自然災害の影響も少なからず受け、電気的な不具合や設置状況が不十分になることも考えられます。長期間安心して運用するには定期点検を実施した方が良いですよという事になります。

資源エネルギー庁の資料では、太陽光発電の定期点検の頻度は、4年毎に1回以上、肝心の費用は1回当たり2万円程度が一般的な相場とされています。

太陽光発電の寿命20年の中で必ず一回は迎えるパワーコンディショナーの交換ですが、これは太陽光パネルとは異なり普通に運転していても自然に機械的な摩耗が発生する為、ある程度の期間が経つと交換する必要があります。その費用は平均20万円とされています。

では年間の費用の合計はいくらになるのでしょうか。年間のメンテナンス費用はこの2つの合計値でいいのか、他に考慮すべき費用はないのか。

定期点検、パワコン交換費用以外にも運転中、機器に思わぬ不具合が発生して修理が必要になることも考えられます。しかしこれらは多くの場合太陽電池メーカーが提供する10年間の無料保証の範囲内で対応が出来る為、メンテナンス費には含まれません。では年間のメンテナンス費用を計算してみます。太陽電池モジュールは少なくとも20年以上稼働すると言われていますのでここでは20年として計算します。

20年間の間に定期点検は
約2万円x5で約10万円

パワコン交換費用は
約20万円x1で約20万円

で計約30万円となります。

これを1kwあたりの年間メンテナンス費用に換算すると約¥3,600.-となります。

自分の太陽光発電設備のボリュームに併せて年間1kwあたり¥3600.-くらい太陽光電池用に貯金をしておけば十分定期点検が可能です。

まとめ

以上のように太陽光発電の設備には20年の間に定期的なメンテナンスとパワコンの交換が必要となります。しかし、それは1kw当たり年間¥3,600.-ほどの少額を貯金していく事でまかなう事が出来る為、決して莫大なお金が掛かる訳ではありません。定期点検を利用するほか、目視によるチェックをマメにすることが太陽発電装置の寿命を延ばすポイントとなります。皆様も快適なエコ生活の為に定期点検を多くして太陽発電を効率良く末永く使われてはいかがでしょうか。

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